夕暮れ時の由比ヶ浜で、黄金色に輝く太陽と海を背景に、スマートフォンのカメラを構えて撮影する人のシルエット。

仕事のメールは海に置いてきた。広角レンズで見渡す鎌倉の『春』と『深呼吸』。

水曜日。仕事のメールを「見なかったこと」にして、鎌倉へ。 相棒は Canon EOS R6 Mark II。レンズは EF 16-35mm F4L IS USM。 「広く、深く、でも心は軽やかに」

江ノ電の特等席は、運転士の背中越しにある。すれ違う緑の車体、横目に流れる国道134号。日常と非日常の境界線を、時速30キロの低速で突き進む。この「もどかしいほどの鈍足」こそが、鎌倉という街の正しい呼吸法なのだ。

JRから数歩で、空気感が変わる。木の梁が剥き出しのセピア色のターミナルに、緑の電車が鎮座する光景。ここはただの駅ではない、日常から「少し昔」へのチェックポイント。

青空の下、レトロな時計台と緑の屋根が特徴的なJR鎌倉駅の駅舎外観と駅前の様子。

鎌倉の玄関口。レトロな時計台が、「さあ、時間はたっぷりあるぞ」と唆してくる。ここを潜れば、日常のスイッチは強制的にオフ。雑踏の音でさえ、これから始まる旅の期待感を煽るBGM。

竹から滴る水が、指先に冬の名残と春の予感を運んでくる。作法通りに清めるのは、手だけではない。都会の毒気に当てられた心に、一滴の静寂を。透明な水が、今日という一日を瑞々しく縁取っていく。

突き抜けるような青空に、朱色の楼門が鋭く刺さる。石段を一段登るたび、重力から解き放たれていくような錯覚。神域へと続くこの階段は、案外、現世のちっぽけな悩みを見下ろすための特設ステージなのかもしれない。

枝先に灯る、小さな白。桜のような派手さはないが、寒さを耐え抜いた芯の強さが香り立つ。ちらほらと咲き始めた梅は、春の到来を告げる内緒話のよう。まだ少し冷たい風が、その白さをいっそう際立たせている

空を埋め尽くすように飛び交うカモメたちと、それを見上げる人のシルエット。

静寂を切り裂く、無数の羽ばたき。池を舞うカモメたちは、人間の思惑などお構いなしに自由を謳歌する。太陽を背に受けて乱舞する影は、まるで白昼夢のひとコマ。鎌倉の空は、いつだって彼らの領土だ。

yuigahama beach sunset golden hour

太陽が海に溶け出し、世界が琥珀色に染まる定刻。砂浜に伸びる長い影は、今日という日の充足感そのもの。波音だけが響く由比ヶ浜で、何も語らずとも「良い一日だった」と独りごちる。この圧倒的な余韻が、明日への糧になる。

Equipment
今日の記憶を記録した、相棒たち。
Main Gear
Canon EOS R6 Mark II
EF16-35mm F4L IS USM

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